格安SIMは基本使用料が安い分、大手携帯キャリアとは使い勝手が違いますし、大手携帯キャリアの便利なサービスであるキャリア決済は格安SIMではほとんど使えない実情があります。
このページでは、格安SIMへの乗り換えを検討しているけれど、キャリア決済も使いたいという人に向けた解決策を解説していきます。
「キャリア決済」ってなに?
最近ではスマートフォンなどを利用したキャッシュレス決済が急速に普及していますが、キャッシュレス決済の中でもいち早く登場し、かんたんに利用できる上にいざという時に役立つ決済方法として人気なのがキャリア決済です。
キャリア決済にはどのようなメリットやデメリットがあるのか、安くスマホが使える格安SIMではキャリア決済は使えるのかなどを解説していきます。
ドコモのキャリア決済の特徴
ドコモでは「ドコモ払い」というキャリア決済と「d払い」というキャリア決済の2種類の決済方法がある点に大きな特徴があります。
この2つの支払い方法を合わせてるとauやソフトバンクよりも利用できるお店が最も多くなりますし、「d払い」で支払いをした場合には200円につき1ポイントのdポイントがもらえる点も大きな特徴です。
さらには「dカードプリペイド」にチャージすれば世界中のMasterCard加盟店でも利用できます。
auのキャリア決済の特徴
auのキャリア決済は「auかんたん決済」という名称で提供されているのですが、「au WALLETカード」へのチャージにも利用できる点に大きな特徴があります。
「au WALLETカード」へチャージすることで世界中のMasterCardの加盟店で利用が可能となりますし、200円の支払いにつき1ポイントものポイントが貯まるので、普段の買い物をお得にできます。
ソフトバンクのキャリア決済の特徴
ソフトバンクのキャリア決済もソフトバンクが独自に発行しているソフトバンクカードへのチャージに対応していて、ソフトバンクカードにチャージすることで世界中のVISA加盟店で利用可能となります。
またヤフーショッピングでは基本的にどのお店もソフトバンクのキャリア決済に対応しているので、ヤフーショッピングなどをよく利用する人にはメリットが大きいと考えられます。
キャリア決済のメリット・デメリット
キャリア決済のメリット
キャリア決済のメリットですが、具体的には次の点が挙げられます。
安心&安心&手軽に買い物ができる
IDとパスワード、暗証番号を入力するだけで買い物ができるので、ネットでの買い物が圧倒的に楽ですし、クレジットカードを持っていない未成年者でも安全に買い物ができます。
利用限度額が設定されているので使いすぎの心配もありませんし、決済時に個人情報を入力する必要もないので、クレジットカードよりも安全に決済ができます。
金欠時でも利用できる
キャリア決済で買い物をすると後日スマートフォンの利用料金と一緒に買物代金の請求がされます。
後払いシステムなので、現在手元にお金がないけれど急ぎで必要なものがある、という時に便利に買い物ができます。
クレジットカードなしでネット決済が可能
企業側のメリット
クレジットカードを持っていない人にもアプローチできる
未入金などのリスクを回避できる
キャリア決済のデメリット
キャリア決済のデメリットですが、クレジットカードと比較すると利用できる限度額が少ない点が挙げられます。
基本的には最大でも100,000円までとなっていますし、未成年者の場合は10,000円程度となっています。
大きな買い物をする際には不向きと考えられますし、何の支払いに使ったのか後から分かりにくい側面もあるので、家計簿をつけている場合には注意が必要です。
キャリア決済に対応している主なサービス例
キャリア決済は主にアプリの購入や課金、デジタルコンテンツの購入に対応してるほか、大手インターネットショッピングサイトでの買い物などに利用できます。
アプリ・動画・電子書籍
具体的には、App StoreやGoogle Play Storeでのアプリの購入や課金の支払いに利用できる他、Huluなどの動画配信サービスの支払いなどに利用できます。
ショッピングサイト
またAmazonやヤフーショッピング、楽天市場、オムニセブンなどのオンラインショッピングサイトでの買い物にも利用できるケースが多いので、これらのショッピングサイトで買い物が多い人はキャリア決済を利用すればより快適にネットショッピングができるものと考えられます。
アイドルグループのサイト
なおアプリの課金やネットショッピングで買い物をする際には、dプリペイドカードやau WALLETカード、ソフトバンクカード等の各種プリペイドカードも利用できますし、プリペイドカードを利用したほうがポイント還元率が良いこともあるので、場合によっては直接キャリア決済で買い物をするのではなく、キャリア決済でチャージをしたプリペイドカードで買い物をすることをおすすめします。
要注意:キャリア決済でしか払えないサービスも!?
基本的にはキャリア決済でしか支払いができないサービスというのは存在しません。敢えて挙げるとすればキャリア決済を利用した現金化サービスくらいなものです。
普段の買い物において、キャリア決済が利用できなかったばかりに欲しい物が買えなかった、ということはないと考えられます。
格安SIMに乗り換えてしまうと、キャリア決済が使えない!?
auのサブブランドであるUQモバイルやソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルの格安SIMではキャリア決済が利用できますが、それ以外の格安SIMでは基本的にキャリア決済を使うことはできません。
mineoや楽天モバイルなど、一部の格安SIM会社では独自のキャリア決済サービスを導入しているのですが、これらのMVNOで利用できるキャリア決済はGoogle Play Storeでアプリを購入したり、アプリを課金する場合のみ利用可能となっていて、利用できるサービスが圧倒的に少なくなっています。
格安SIMへ乗り換えをすると基本的にはキャリア決済は利用できなくなってしまうものと考えて差し支えないのです。
キャリア決済ができなくても格安SIMにした方が得?
キャリア決済は便利なサービスですが、すでにクレジットカードやプリペイドカードなどを保有している人には大きなメリットはないと考えられます。
現在キャリア決済を使っている場合にはクレジットカードやプリペイドカード、QRコード決済等に移行すれば問題ありませんし、大手携帯キャリアよりも格安SIMの方が圧倒的に毎月の料金が安くなるので、節約を意識するのであれば、格安SIMへ乗り換えたほうが良いです。
キャリア決済の代わりになる支払い方法
キャリア決済の代替方法として真っ先に挙げられるのがクレジットカードの発行です。キャリア決済は主にアプリの購入やアプリ内課金などのデジタルコンテンツの購入やインターネットショッピングサイトでの買い物利用などが考えられるのですが、これらの支払いは基本的にすべてクレジットカードで支払い可能となっています。
クレジットカードは未成年者では保有ができませんが、その場合はLINE Payカードなどのプリペイドカードを発行することでクレジットカードと同様に快適に買い物ができます。
キャリア決済に対応する格安SIM(MVNO)一覧
ドコモのキャリア決済が使える格安SIM
格安SIMの中でも、ドコモ回線を利用したプランでキャリア決済に対応しているのがmineo(Dプラン)と楽天モバイル(ドコモ回線)です。
残念ながら現在d払いやドコモ払いに対応したドコモ系の格安SIMはなく、mineoや楽天モバイルは独自に決済サービスの提供を行っています。
mineoも楽天モバイルも予めGoogle Play Storeの支払い方法で「mineoでの決済を利用」「楽天モバイルでの決済を利用」を選択し、支払い方法の登録を済ませておくことで、アプリの購入や課金などをスマホ代金と合わせて支払うことができます。
なお大手携帯キャリアと同様に1ヶ月あたりの利用限度額が設定されていて、mineoの場合は最大で20,000円まで、楽天モバイルは最大で100,000円までキャリア決済で支払いができます。
ドコモのキャリア決済との違いやデメリットは?
mineoも楽天モバイルもキャリア決済が利用できるサービスは限定されていて、
いずれもGoogle Play Storeでアプリやデジタルコンテンツを購入する場合にのみキャリア決済が利用可能となっています。
対応しているのはあくまでもGoogle Play Storeでの買い物のみとなっているので、iPhoneやiPadなどのiOS端末ではキャリア決済が利用できない点に注意が必要です。
加えて、d払いやドコモ払いのようにネットショッピングなどにキャリア決済は利用できない点を覚えておく必要がありますし、キャリア決済が利用できるのは音声通話SIMの契約者に限られます。
データSIMを利用している場合にはmineoも楽天モバイルもキャリア決済が利用できない点を覚えておきましょう。
auのキャリア決済が使える格安SIM
au系の格安SIMのほとんどはキャリア決済には対応していませんが、唯一キャリア決済が可能なのが、auのサブブランドであるUQモバイルの格安SIMです。
UQモバイルの格安SIMでは「auかんたん決済」が利用可能となっていて、auかんたん決済を利用することでデジタルコンテンツの支払いをスマホ代金と合わせて支払うことができます。UQモバイルのマイページから事前にau IDの申し込みを行い、au IDを発行することでキャリア決済が可能となります。
なお本家auと同様に1ヶ月あたりの利用限度額が設定されていて、UQモバイルでは最大で50,000円までキャリア決済での支払いができます。
auのキャリア決済との違いやデメリットは?
UQモバイルでもauかんたん決済が利用でき、一見すると本家auと全く同じサービスが利用できるように錯覚してしまいがちですが、本家auのキャリア決済とUQモバイルのキャリア決済では利用できるサービスに違いがあります。
本家auのキャリア決済はネット通販やあらゆるデジタルコンテンツの購入に対応しているのですが、UQモバイルのキャリア決済はGoogle Play Store・App Store・Apple Music・iTunesストア・Apple BOOKSでのコンテンツの支払いのみに利用できます。
UQモバイルの「auかんたん決済」は本家auのものと比べて利用できる範囲が限定的となっているのです。
ソフトバンクのキャリア決済が使える格安SIM
ソフトバンク系の格安SIMもほとんどがキャリア決済には非対応ですが、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルではキャリア決済が可能となっています。
ワイモバイルのキャリア決済は「ワイモバイルまとめて支払い」という名称で提供されていて、デジタルコンテンツの購入やインターネットネットショッピングなどの決済に対応しています。
1ヶ月あたりに利用できる金額は年齢によって異なり、満20歳以上であれば、最大で100,000円までキャリア決済で支払うことができます。
なおワイモバイルまとめて支払いの利用は事前の申込みなどは不要で、月額利用料金なども特に必要なく、手軽に利用することができます。
ソフトバンクのキャリア決済との違いやデメリットは?
本家ソフトバンクではソフトバンクまとめて支払いという名称でキャリア決済サービスが提供されているのですが、名称こそ違うものの、ソフトバンクまとめて支払いとワイモバイルまとめて支払いはサービス内容が同じとなっています。
基本的にはソフトバンクまとめて支払いが利用できるサービスではワイモバイルまとめて支払いも利用可能となっていますし、ヤフーショッピングで利用できる点やPayPayへのチャージに対応している点も同じです。
キャリア決済が使えない大手格安SIM(MVNO)一覧
キャリア決済に対応していない主要な格安SIMを一覧で紹介し、各社の特徴もかんたんに解説していきます。
OCNモバイルONE
NTTグループの格安SIM。050Plusなどが安く利用できるメリットがあります。
IIJmio
格安SIMの老舗の一社。ファミリーシェアプランなどの家族向けのプランがあります。
LINEモバイル
無料通話アプリで有名なLINEの関連会社が運営しています。現在はソフトバンクと提携を結んでいて、実質的にソフトバンクの子会社となっています。
BIGLOBEモバイル
auのサブブランドで、セットで国内正規品のiPhoneが購入できます。また定額料金でYou Tubeが見放題になる「エンタメフリー・オプション」などのオプションが充実しています。
イオンモバイル
全国のイオンのお店で契約やアフターフォローを受けることができます。また月額利用料金が業界最安水準です。
ロケットモバイル
月額料金が業界最安水準です。特に「神プラン」が人気で、データ通信専用SIMであれば月額298円~、音声通話SIMも月額948円~で利用できます。
【裏技】格安SIMと2台持ちでキャリア決済を可能にする
通信費を抑えつつ、キャリア決済を引き続き利用したいと考える人におすすめなのが、大手携帯キャリアのガラケーと格安SIMの2台持ちです。
大手携帯キャリアの端末をガラケーとし、プランを必要最低限にすれば月額2,000円以下で維持することが可能です。
一方でスマホは、現在利用しているものを流用したり、SIMフリーの格安スマホを購入し、データ通信専用SIMで利用することで月額500円程度での利用が可能となっています。
2台合わせても月額2,000円~3,000円程度で運用することができるので、ランニングコストを抑えつつ、キャリア決済を利用したい場合には大手携帯キャリアのガラケーと格安スマホを2台持ちをするのも有効と考えられます。
キャリア決済を使うならサブブランドの格安SIMを持つ
格安SIMへ乗り換えをした場合、ほとんどのMVNOではキャリア決済が利用できなくなりますし、キャリア決済に対応しているMVNOでも支払いが限られてしまいます。
一方でUQモバイルやワイモバイルなどのサブブランドであれば、それぞれauかんたん決済/ワイモバイルまとめて支払い(ソフトバンクまとめて支払いと同内容)が利用できますし、特にワイモバイルは大手携帯キャリアと遜色なくキャリア決済が利用できます。
もしも格安SIMでもキャリア決済を利用したいと考えるのであれば、UQモバイルやワイモバイル等の大手携帯キャリアのサブブランドの格安SIMへの乗り換えを第一候補とすることをおすすめするとともに、自分が契約を考えている格安SIMではキャリア決済が利用できるのかを確認しておくと良いでしょう。